4 こんな探偵小説を読んでみたい
最初に読んだのは、たしかにこれであった。大昔のこと。
③『アナイスのために』 小佐井伸二訳 シムノン選集3 集英社 1969
あまりいい印象もなく、本は手放してしまった。
最近になって、次の二冊を手に入れる。
①『過去の女』松村喜雄訳 シメノン選集 HP 1955
②『娼婦の時』日影丈吉訳 HPB 1961
日影による例の「あとがき」は、この本のものだ。
さて、②のほうから読みはじめる。探偵小説として読めないこともない。動機探し、といったようなテーマだ。それはそれとして。
その後、①を読みだすと、「なんかどこかで読んだような……」気がする。シムノンは似たような話を大量に書いた人だから、と我慢してページをめくったが。さすがに、二、三ページ読んで気がついた。これ、おんなじ話じゃねーの。
①の通しナンバーは「802」。現在は使用されていない。今のHPBでは、他の本についている。
そういえば、もっとずっと昔、500番台があって、ウェスタン小説(『シェーン』の原作とか)がラインアップされていたのを思い出す。
①がなぜ②になったのか。この謎も、深い。
作品以上に面白い秘話があったのでは?
目下、調査中である。が、物証の発見にはまだ到っていない。
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