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メグレ作品リスト3

メグレ作品リスト3

 このページは書誌研究のためのものではない。とはいいながら、シムノンに関しては、基礎的な段階ですますにしても、先人(日本人研究者)の業績があまりに大雑把なので、何度も途方に暮れてしまっていた。使いものにならない。いっそ「シムノン抜き」のフランス探偵小説論を強行しようかと、決意しかけたこともあったくらいで。
 そこで、この乱雑ぶりを眼にとめた瀬名秀明さんが貴重なコメントを寄せてくれ、必要なデータの所在を教示してくれたのである。「翻訳ミステリー大賞シンジケートブログ」の「シムノンを読む」という連載だ。じつは、この連載があることは知っていたのだけれど、上記のように「ココロが折れかけていて」手をつけていなかった。
 なるほど、これを参照すれば、初歩的なアホ・ミスで恥をかかないでも済みそうだと、深く安堵した。ゆっくりと検討していこう。
 先に記した作品点数の間違いも正していけるだろう。詳細は、そのつど公開していく。

⑤ 男の首 (1931)La Tête d’un homme

『男の頭 : モンパルナスの夜』永戸俊雄訳 西東書林 1935
 『モンパルナスの夜』 春秋社 1937年
 『或る男の首』 雄鶏社 1950  (早川書房HPB 1955)
『男の首』 宮崎嶺雄訳 東京創元社[世界推理小説全集]19巻 1956 (創元推理文庫1959)
『モンパルナスの夜』 堀口大學訳 新潮社 1956
 『或る男の首』 新潮文庫 1959
『男の首』 三好格訳 中央公論社[世界推理名作全集]5巻 1960 (中央公論社[世界推理小説名作選] 1962)
『男の首』 宗左近訳 角川文庫 1963
『ある男の首』 石川湧訳 講談社[世界推理小説大系]7巻 1972
『男の首』 木村庄三郎訳 旺文社文庫 1977

 翻訳点数の多さでは随一。これを代表作とするのが一般的か。
 プラーグから来た医学生vsメグレ。
 [新しい殺人者]の像が作家のなかに息づき、メグレ(というもう一人のシムノン)と対決する。

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